
2025年10月2日、1人で数多くのアーティスト名を考え、その作品を制作し、複数の作家活動を行うことで知られるアーティスト中村悠一郎は、とあるアイデアを思いついた。
今現在、自宅には120個もの缶詰が存在している。これは、別名義のアーティスト、カンヅメコノミーによるプロジェクトによって、第三者から送られてきた缶詰である。
この缶詰を自分自身の別名義のアーティストの作品の対価として支払うことによって、作品と缶詰を交換すること、そして、缶詰を別名義アーティストが得ることができ、そのアーティストがまた他の別名義のアーティストに対価として缶詰を支払うことによって作品を手にいれる。
そんな、閉じられた言語ゲームにも似た「限界缶詰ゲーム」というのができるのではないか。
そう中村は思ったのである。まだ10月も始まったばかりだ。11月1日から、中村はアーティストインレジデンスで神戸に行ってしまう。
そこで、10月2日から10月31日の間、この「限界缶詰ゲーム」を中村は行うことにした。
老松孝志
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「限界缶詰ゲーム」
会期:2025年10月2日〜10月31日
会場:オンライン
作家:中村悠一郎ほか
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中村悠一郎
芸術を社会との関係性と捉え、貨幣や贈与、言語、コミュニケーション、偶然性、造形性など様々なアプローチで、プロジェクトベースの展開をしている。主な展示に、2018年「彫刻と対話法IV 揺さぶられる作意」府中市美術館市民ギャラリー(東京)、2019年「六本木アートナイト2019」東京ミッドタウン(東京)、「TOSAのMOSA」藁工ミュージアム(高知)、2020年「ガチャむらやII / 中村悠一郎」GALLERY SOAP(福岡)、2021年「Uncertain Borders」KOGANEI ART SPOT シャトー2F(東京)、2022年「Gallery Gacha」モリビ(福岡)など。主な企画に、2023年「プーノスカーヌ・プーヌ展」モリビ(福岡)など。
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